今年の新米も高値が続きそうです。“令和のコメ騒動”と言われる、この状況がいつまで続くのでしょうか。価格が落ち着くことはあるのでしょうか。
【写真を見る】「高すぎるんじゃないか」新米価格に農家のホンネは…
“令和のコメ騒動”いつまで?新米が高い意外な理由
吉村恵里子キャスター:
新米の価格について、街の皆さんに理想と現実を聞きました。
30代:希望価格は3000円、4500円までなら出せる「前は2000円だったので…」
60代:希望価格は3800円、4000円までなら出せる「でも安けりゃ安い方が…」
「少し前は値段が安かった」という印象がある人が多いようです。コメのスーパー販売平均価格を見てみると、2023年は2000円を切っていました。ただ、2023年は猛暑でコメが不作となり、価格が上昇。“令和のコメ騒動”と呼ばれるようになりました。
その後、2024年9月第2週には3000円を超え、2025年3月第1週には4000円を超えました。
流通経済研究所の折笠俊輔主席研究員によると、2025年の新米は、2024年と比べ約1000円上昇の見通しで、5キロ4200円~4500円となりそうです。
【なぜ、今年も新米が高いのか】
“令和のコメ騒動”で…
(1)食卓にコメが欠かせないことに気づく
(2)ある程度、高値でも購入する人がいる
(3)業者も高値で確保せざるを得ない状況
このような状況なので、新米の価格が約1000円上昇したのではないか、とみられています。
コメを日常的に買うための限界価格は?
コメに関するこんなアンケートがありました。
【これ以上高くなると日常的に購入できないと思う価格】ネオマーケティング調べ
コメ5キロあたり
4000円~4500円:20.3%
4501円~5000円:16.1%
5001円以上:32.0%
「5000円以上だと日常的には買えない」と思う人が約3割でした。つまり、5000円までであれば、買えるという人も一定数いました。
井上貴博キャスター:
やはり、高くなりすぎると消費者がコメから離れてしまう。しかし、安くなりすぎると生産者が立ち行かない。数年前、2000円を切っていたところから、価格がこれだけ跳ね上がり、備蓄米を放出して価格は下がりましたが、再び上昇傾向になってきている。こういった不安を皆さん持っているのではないでしょうか。
田中ウルヴェ京さん:
不安があるからこそ、私達は「安定することはないんだろう」という思いは、なんとなくあります。しかし、「主食は私達にとっては大切だ」という感情的なものと、主食だからこそ、「すべての人に行き届かなければいけない食物である」という両方の面があります。
安くなければいけない。しかし、高くても価値のあるものだと「私達のアイデンティティとして買いたい」。このような消費者の思いは、両方ともあると思うので、これらのバランスを兼ねられることがいいのではないかと消費者目線では思います。
「2年後ぐらいに3500円程度に落ち着く」?
吉村キャスター:
みなさん様々な努力もされているので、適正価格をどう調整していくかも大事ですよね。
政府はコメ対策として、▼“コメ増産”で安定供給を図る、▼農地を大規模化し生産効率をアップする、など様々なことを行っていますが、流通経済研究所の折笠俊輔主席研究員は、効果が出るのは2026年~27年とみています。
一方で、自治体も様々な工夫をしています。
【おこめ券の配布】(全世帯対象)
埼玉県秩父市:~3080円分(約2万6000世帯)
兵庫県尼崎市:~2200円分(約25万世帯)
根本的な解決にはなりませんが、自治体も頑張っている状況です。
コメの価格は今後どうなるのか、折笠主席研究員は「2年後ぐらいに3500円程度に落ち着くのでは」と話しています。
井上キャスター:
コメは主食だからこそ、ある程度価格をコントロールした方がいい。しかし、今まで政府はコントロールしようとしましたが、結局データが取れず、“令和のコメ騒動”になってしまった。ならば、市場原理に任せるのか。ここのさじ加減は、本当に難しいところなんだと思います。
田中ウルヴェ京さん:
やはり知りたいのは、サプライチェーンのあり方や、どこまで機械式にするのか。それでどの程度、品質が落ちるのか、人の手間はどれだけ大切なのか。そういうことを知ってから、適正価格を知りたいですね。
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<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト
慶應義塾大学特任教授
心の学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰
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