中高生たちがスマホの利用について話し合う「関東スマホサミット」が開かれました。テーマの一つは、オーストラリアで可決された子どものSNSの利用を禁止する法案について。子どもたちが今思うこととは?
スマホ依存 中高生の約4人に1人 動画視聴やオンラインゲームで…
小笠原亘キャスター:
24日、都内で総務省が主催した「関東スマホサミット」が開かれました。子どもたちのネット依存が深刻化する中で、当事者ともいえる中高生たちが話し合い、活発な議論が繰り広げられたようです。
中高生の“ネット依存”は、2018年の全国平均(厚労省調査)は、▼中学生12.4%、▼高校生16.0%で、2024年の関東圏内728人に対する調査(兵庫県立大竹内教授調査)では、▼中学生27.0%、▼高校生23.1%と増加傾向です。また、中学生の方がより“依存”傾向にあるという結果に驚きました。
中学1~2年生、高校1~2年生を対象とした調査では、家で毎日ネットに接続する割合は90%以上、中1・高1~2の女子に限ると、100%という結果になっています。
中高生がネットに接続する機器で一番多いのはスマートフォンだということです。
スマートフォンを使用している割合は、男子では、▼中1が67.3%、▼中2が72.8%、▼高1が88.4%、▼高2が80.5%。女子では、▼中1が76.3%、▼中2が75.9%、▼高1が91.4%、▼高2が100%となっています。
さらに、ネットで何をするかという調査では、男子と女子で大きな差がありました。
「動画を見ている」のは男子・女子ともに多いですが、男子はオンラインゲームも多い結果となりました。一方で、女子はオンラインゲームは少なくSNSが多いという結果です。
ホラン千秋キャスター:
山内さんのお子さんはどうですか?
山内あゆキャスター:
ずっとスマホを触っているわけではありませんが、1日に何回もスマホを触っています。うちは男の子ばかりなので、まさに動画とオンラインゲームばかりです。
小笠原キャスター:
私にも中学生の男の子がいますが、ほぼ動画を見ていますね。最近私にくる連絡は「制限を解除してほしい」というものばかりです。
山内あゆキャスター:
私も子どもから来るのは「PayPayの送金をしてほしい」という連絡くらいです。
ホラン千秋キャスター:
大人でも「ちょっと動画見よう」が、あっという間に2~3時間経ってしまうことが多々あるので、気持ちはすごく理解できます。
南波雅俊キャスター:
ルールを決めても隠れて使ってしまうこともあると思うので、それぞれ家庭での対策が必要なのかなと思います。
ネット依存傾向?チェック8項目 専門家「単純に“ネットが悪い”ということではない」
小笠原キャスター:
医療機関でも行われているスクリーニングテストで、“ネット依存”の傾向をチェックする8項目があります。
1.ネットに夢中と感じる
2.もっと長時間使用したい
3.やめようとしたが上手くいかないことがたびたび
4.時間を短くしようとするとイライラする
5.考えていたより長く続けてしまう
6.ネットで人間関係を台無しにしたことがある
7.熱中を隠すため家族や先生に嘘をついたことがある
8.絶望・不安から逃げるためにネットを使う
5個以上当てはまると、“ネット依存”の傾向があるということです。
小笠原キャスター:
親も頻繁にスマホを見るので、説得力がなくなってしまいますよね。
山内キャスター:
食事中はいけないと思っているのですが、仕事の連絡が来るとつい確認してしまいます。どう対策すれば良いのかというのは本当に難しいです。
小笠原キャスター:
子どものネット問題に詳しい兵庫県立大学の竹内和雄教授は「単純に“ネットが悪い”ということではない。“ネット依存”の傾向としては、リアルの社会で何か課題を抱えている子が多い。リアルの目標を作ることが大事」だと指摘します。ネット社会に逃げ込まないように、リアルでの人間関係や環境をしっかりしていくことが重要だということです。
「ネットリテラシーはネットじゃないと学べない」オーストラリア“SNS禁止法”に
小笠原キャスター:
「関東スマホサミット」では、オーストラリアのSNS禁止法についても話し合われました。
16歳未満のSNS利用を禁止する法案は2024年11月に議会で可決され、1年間の猶予期間を経て施行されます。違反した場合は、子ども・保護者には罰則はなく、SNS事業者に対し約50億円の罰金が課されます。
この“SNS禁止法”に対し、中高生からはさまざまな意見があがりました。
▼賛成の意見
・子どものうちはゲームより勉強が大事
・使用しないことを先に習慣づけておけば勉強スタイルが崩れにくい
▼反対の意見
・別の人の端末を使ってSNSに触れてしまうのでは
・ネットリテラシーはネットじゃないとやっぱり学べない
山内キャスター:
別の人の端末を使ってSNSに触れてしまうということはあると思います。私も家に家族兼用のタブレットがあるので、子どもたちはそれを自由に使えるようになっています。
ホランキャスター:
キャリアという点でも必ずデジタルを使いますし、デジタルを切り離しては活躍できない時代になっていると思います。そことどう向き合あっていくのかを、子どものときから考えておくことは、何か必要な気づきがあるかもしれません。
山内キャスター:
これからの進学に伴って、3月からスマートフォンを持たせようか悩まれてるご家庭はすごく多いと思います。最初のうちに色々と家族で話しておくことは大事だと思います。
小笠原キャスター:
親同士が集まると、やはり子どものスマホの話になります。スマホに熱中しすぎて、朝起きられなかったりする子どももいるそうなので、事前の話し合いは重要だと思います。
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