
アメリカの中間選挙で大敗を喫したトランプ政権。今後、内政では思うに任せない状況が予想され、外交面で攻勢に出る可能性が指摘されています。どんな次の一手を考えているのでしょうか。
【写真で見る】中間選挙“大敗”の影響は?日本の安全保障にも危機感
“レガシー”づくりにこだわるトランプ大統領 残りの任期は前途多難か
2026年7月に撮影されたホワイトハウスの大統領執務室は、いたるところ金の装飾に金の置物。トランプ大統領好みに改装されています。
トランプ大統領(5日)
「誰にも触らせない。愚か者が壊したり解体することを認めない」
中間選挙での大敗から2日、トランプ氏は執務室を「国定記念物」に指定する大統領令に署名。この部屋を退任後も変えさせまいとしたのです。
大統領としての「遺産」、いわゆる「レガシー」作りにこだわるトランプ氏。しかし、残り2年の任期は前途多難が予想されます。
民主党 ジェフリーズ院内総務(4日・ワシントン)
「国民は政策の劇的な方向転換を望んでいるからこそ、民主党を選んだ。下院民主党はそれを実現する」
例えば、これまで強引な手法が批判を浴びながらも、トランプ氏肝いりで進められてきた「不法移民の強制移送」。あるいは現在、力を注いでいる「AIデータセンターの建設」。
いずれも住民の反発もあり、政策を制限する法案が議会多数派となった民主党から提出される可能性があります。
一方で、トランプ氏はSNSに「拒否権(VETO)」と書かれた帽子の写真を投稿。議会を通過した法案に対する「拒否権」の行使をちらつかせ議会を牽制するものの、もはや思い通りとはいきません。
さらに、「拒否権」を行使できないのが、下院による「政権への調査」。今後、トランプ氏にとって大きな脅威となります。
目を向けると考えられる外交・安全保障 「イラン核開発計画の阻止」注力か
民主党が問題視しているのは、“トランプ氏による不正蓄財”疑惑。アメリカの経済誌「フォーブス」(9月15日)によれば、トランプ氏の純資産は2024年の大統領選後、約1.6倍に(2026年 70億ドル)。
例えば、トランプ政権がUAEに「AI半導体」の提供を決める前に、UAE側から一族が経営する暗号資産企業に、巨額の出資があったとされます。
また2026年3月、トランプ氏がイランとの協議を発表する直前、原油先物の取引が急増。関係者によるインサイダー取引の可能性を報じる現地メディアもありました。
今後、こうした疑惑が追及され議会との対立が深まる中、トランプ氏が目を向けると考えられているのが、外交・安全保障です。
その最たるものが、今回の中間選挙大敗の大きな要因とされるイラン戦争。トランプ氏は戦争終結に向けた取り組みを行うのか。注目が高まる中、専門家は...
明海大学 小谷哲男教授
「普通であればイラン戦争を終わらせることを考えるけれど、普通の大統領ではないので、この戦争を始めたそもそもの目的“イランの核開発計画の阻止”に力を入れる。それこそが歴代の大統領が達成できなかった大きなレガシーになると考えている。これまで以上の烈度で、イランに対する攻撃を行うことは十分考えられる」
小谷氏は、トランプ氏が「レガシー」を遺そうとするあまり、他にも予想すらできない行動をとる可能性を指摘。その影響は日本にも…
“北朝鮮との首脳会談”にも意欲 日本の安全保障が揺らぐ危険性
トランプ氏がいま、強い意欲を示しているとされるのが、北朝鮮との首脳会談です。
第一期トランプ政権でも中間選挙後、議会との対立が強まる中、反対する政権幹部を退けてまで進めたのが、北朝鮮外交でした。
しかし、大統領として初めて軍事境界線を越えたことをアピールしただけで、非核化をめぐる具体的成果は得られませんでした。
では今回、トランプ氏は何をやろうとしているのか。小谷氏は、首脳会談実現のため、北朝鮮に予想以上に歩み寄る提案を行う可能性を指摘します。
明海大学 小谷哲男教授
「トランプ氏が、北朝鮮を公式に核保有国として認める。劇的に友好関係を変えたいということを提案すれば、北朝鮮側も(首脳会談を)受けるかもしれない。ただその際に日本や韓国、同盟国と事前調整をした上でそういう動きを見せるかというと、おそらくそうならない。アメリカが北朝鮮と友好関係になる中、日本は引き続き北朝鮮からの脅威を受ける。日本の安全保障が危うくなる」
さらに、大きな注目を集めているのが、トランプ氏が前向きとされる11月半ば、APECでの米中ロ3か国首脳会談の開催です。
会談が実現し、アメリカが中国やロシアと共同歩調をとった場合、日本の安全保障が根底から揺らぐ危険性があると、小谷氏は言います。
明海大学 小谷哲男教授
「この3か国は元々は(第二次大戦の)同盟国だったんだと。だから今も協力する必要があるんだという流れになるかもしれません。アメリカと中国とロシア(の3か国)で世界の問題を話し合うということは、どの大統領もやっていない。ですから、トランプ大統領からすれば、それを自らのレガシーだと考えている。
ただ第二次世界大戦の時、この3か国にとっての敵は日本だった。『日米の軍事演習については停止する』という発言があってもおかしくない。日米同盟が形骸化させられていくということは、可能性として考えられる」
自らの「レガシー」を躍起になって追い求めるトランプ氏。世界は、そして日本は、何を突きつけられるのでしょうか。
・10歳若返る?「ジャパニーズウォーキング」…“1日30分”で1万歩歩くよりも効果的 道具いらずで海外で話題【Nスタ解説】
・「インフルにかかる人・かからない人の違いは?」「医師はどう予防?」インフルエンザの疑問を専門家に聞く【ひるおび】
・40代から増加「脳梗塞」の初期症状は?「倒れてからじゃ遅い」早期発見のカギ「BE FAST」とは【ひるおび】
