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政権発足から半年でも高支持率はわずか3例 高市内閣支持「74.2%」を待つ“国論を二分する”法案 消費減税・憲法改正を世論はどう見る【5月JNN世論調査解説】

国内
2026-05-09 07:00

最新のJNNの世論調査で高市内閣の支持率が先月調査から2.7ポイント上昇し、74.2%となった。総理就任後、半年が経過したが依然高い支持率が続いている。過去の政権と比較しても半年後も高い支持率を維持しているのはわずか3例しかなく非常に稀といえる。


【画像を見る】JNN世論調査 解説(5月)


半年後も高支持率をキープした内閣とその後

高市内閣同様に、総理就任後半年を経過しても支持率をキープできた例としては、過去30年のJNN世論調査を振り返れば、小泉内閣(2001年4月~2006年9月)、第二次安倍内閣(2012年12月~2020年9月)、岸田内閣(2021年10月~2024年10月)の3例のみだった。


小泉内閣は就任直後の支持率は確認できるJNN世論調査では歴代過去最高の88%で、半年後はやや下落しているものの82%超とキープしている。第二次安倍内閣、岸田内閣は半年後の支持率が就任直後よりもあがっている珍しいケースだ。逆にそれ以外のほとんどの内閣は、なんらかの理由で急落しているケースが多い。とくに麻生内閣や民主党政権下の鳩山、菅、野田内閣はわずか半年で支持率が半減~3分の1以下になっていて、高支持率を半年間維持することがいかに難しいかがわかる。


なおJNN世論調査はこれまで調査対象に携帯電話を加えるなど調査方法を変更したため厳密な比較はできない。


半年後も支持率をキープした小泉、安倍、岸田内閣はその後どうなったかというと、いずれもあることがきっかけで支持率が急落している。


まず小泉内閣では就任後10か月にして55.4%(02年2月)と急降下している。これは2002年1月、アフガニスタン復興支援会議に一部のNGOの参加が拒否された問題で国会が紛糾し、事態打開のため小泉総理が当時、国民的人気が高かった田中真紀子外務大臣らを更迭したことが主な要因だった。


次に第二次安倍内閣では、就任から11か月後(13年12月)に支持率が急落し54.6%になった。これは当時、野党や市民団体、法曹界などから反対の声が強かった特定秘密保護法を強行採決したことが要因だった。当時のJNN世論調査で「国会審議が不十分」との回答が85%に上っていた。


岸田内閣も就任から11か月後(22年9月)に旧統一教会と自民党議員の関係性が明らかになり、48.1%と支持率は下落。その3か月後の22年12月には岸田内閣の3人の閣僚が旧統一教会問題などで次々と辞任し支持率は34.2%にまで下がり続けた。


このように「人事」「賛否が分かれる法案」「不祥事」など支持率が急落した理由は三者三様だが、高市内閣も後半国会に「国論を二分する」様々な法案が待ち構えていて、高支持率を維持できるか正念場を迎える。


どうなる?消費税減税 与党支持層の半数以上が「1%でもいい」

その「国論を二分する」政策の1つで、国民生活に最も直結する課題が消費税だ。自民党は先の衆院選で「給付付き税額控除」導入までのつなぎとして「食料品の2年間の消費税ゼロ」を掲げ、現在も社会保障国民会議で議論が続けられている。


その国民会議・実務者会議のヒアリングの中で判明したのが、消費税をゼロにする場合、レジシステムの改修に1年はかかる一方、1%であれば半年程度で改修が可能ということだった。


公約通り0%を実現すべきか、時間短縮できるなら1%への引き下げでもいいのか、あるいは減税はすべきではないのかー。


この3択で調査した結果、全体では「時間が短縮できるなら1%への引き下げでもいい」が最多で47%、次に多かったのが「減税すべきではない(増税すべきを含む)」で26%、「公約通り0%にすべき」は24%だった。


支持政党別でみた場合でも、自民、維新の与党支持層では「1%でもいい」が最多で51%、「支持政党なし」と答えたいわゆる「無党派層」でも45%が「1%でもいい」で最多だった。


男女別や年代別に分析するともう少し特徴がみえてくる。


まず男女で比較すれば女性のほうが時間がかからない「1%」を望んでいることがわかる。年代別では「30歳未満」の有権者が「公約通り0%」を望む割合が最も多く、年齢があがるにつれ「減税の必要なし」の割合が増え、比較的、消費税を重視していることがわかる。


総理周辺によると高市総理は現在も公約通り0%にする姿勢を崩していないが、こうした「1%案」にも「関心を示している」という。骨太の方針を見据え、6月にも国民会議の中間とりまとめが控える中、政府がどういう結論を出し、有権者がどう評価するか注目があつまる。


憲法改正「時はきた」のか? 世論は「改正すべき」「すべきでない」がほぼ拮抗

「立党から70年。時は来ました。憲法改正に向け、党員・党友の皆様の総力を挙げて、全国各地で国民の皆様への憲法に関する説明を行うとともに、国会においては、決断のための議論を進めてまいりましょう。そして、改正の発議について、なんとか目途が立ったと言える状態で、皆様とともに、来年の党大会を迎えたいと考えています」(4月12日自民党大会にて)


高市総理のこの発言は、ここ数年の憲法改正をめぐる歴代総理の発言では一番踏み込んだのではないか。現職総理が憲法改正の発議について「期限」を口にしたのは異例といえる。


一方で、国民的な改正機運は盛り上がっているだろうか。
今回の世論調査で憲法改正すべきかどうか聞いたところ、「改正すべき」は45%、「改正すべきではない」は40%とほぼ拮抗している。与党支持層では6割が「改正すべき」と答えている。


こちらも男女別、年代別で分析するとやや特徴があり、例えば男性のほうが「改正すべき」の割合が高く、50代を境に年齢があがるにつれ「改正すべきではない」割合が増えてくる。一方、30代未満の有権者もやや「改正すべきではない」が上回っていることも付しておきたい。


現在“改憲の入口”として衆議院で議論が進むのが、大規模災害などの緊急時に国会機能を維持するための「緊急事態条項」だ。有事の際に国会議員の任期を延長することや、内閣が法律と同等の効力を持つ命令を一時的に定めて対応できる「緊急政令」を指すが、政府の権限が強化され権力乱用の可能性があるとして野党や有識者から異論があがっている。


一方、参議院側は「1票の格差」是正のため、隣り合う県を1つの選挙区にまとめた「合区」の見直しが優先テーマとして進められていて、与野党だけではなく衆参の足並みがそろっていない。


さらに世論調査では「改憲すべき」と答えた人のうち、最も優先してかえるべき項目は何か聞いたところ「緊急事態条項」でも「合区の解消」でもなく「自衛隊を憲法に明記するなどの憲法9条の改正」のほうだった。こちらも政治と世論には乖離がある。与党側は争点の多い9条よりもまずは議論の比較的少ない緊急事態条項や合区の解消を優先させたい狙いがあるようだ。


ただ憲法というのはそもそも国民が、国(権力)の暴走を縛るためのルールであることを考えれば、権力側が自身の権限を強化する改憲項目を優先させることに違和感がぬぐえない。また野党第一党の中道改革連合が先の衆院選で大敗を喫したことで野党の存在感が薄れ、これまでの憲法審査会で主要野党が主張してきた「衆議院の解散権の制約」や「臨時国会の召集ルール」は目立たなくなった。国家の理想のあり方を明文化した国民のための憲法であるからこそ、さらなる国民的議論の醸成が政治側には求められる。


TBS政治部・世論調査担当デスク 室井祐作


【5月JNN世論調査の設問と回答】


●高市内閣の支持率は74.2%(先月よりも2.7ポイント上昇)。不支持率は24.3%(先月より0.6ポイント上昇)。


●政党支持率は以下。( )内は先月調査との比較。
自民33.9%(1.6↓)
維新4.0%(0.3↑)
国民3.4%(1.3↓)
中道3.0%(0.3↓)
立憲1.2%(1.1↓)
参政2.3%(0.6↓)
公明2.3%(0.7↑)
みらい2.3%(0.8↑)
共産2.3%(0.1↑)
れいわ0.8%(0.3↓)
保守0.6%(0.3↓)
社民0.7%(0.5↑)
その他0.3%(0.5↓)
支持なし37.7%(1.8↑)


●政府が殺傷能力のある武器の輸出を原則認める決定をしたことについて「支持する」35%、「支持しない」50%


●イラン情勢を受け政府が節電、節約を呼びかけるべきかどうかについて「呼びかけるべきだ」57%、「呼びかける必要はない」33%


●食料品の消費税ゼロについて、デジシステムの改修に1年かかるが「公約通り0%にすべき」は24%、「時間が短縮できるなら1%への引き下げでもいい」は47%、「減税すべきではない(増税すべきを含む)」は26%


●皇族数確保のため旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える案について「賛成」41%、「反対」35%


●検察官の「不服申し立て」の仕組みについて「必要だ」20%、「禁止すべきだ」15%、「どちらともいえない」62%


●現在の日本国憲法について「改正すべき」45%、「改正すべきではない」40%


●(改正すべきと答えた人に)どの項目を優先して改正すべきか
「自衛隊を憲法に明記するなど憲法9条の改正」43%
「自然災害などの緊急時に国会議員の任期を延長するなど緊急事態条項の創設」12%
「参議院で隣りあった県を1つの選挙区にする「合区」の解消」5%
「私学助成など教育環境の充実」17%
「それ以外」18%


【調査方法】
JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。5月2日(土)、3日(日)に全国18歳以上の男女2976人〔固定820人、携帯2156人〕に調査を行い、そのうち34.5%にあたる1026人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話457人、携帯569人でした。インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにもJNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。今後も世論調査へのご理解とご協力よろしくお願いします。


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