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「恩返しのために看護師になりたい」 ファシリティドッグが紡ぐ未来 一人の少女が受け取ったバトン【Nスタ解説】

国内
2026-05-12 20:59

重い病気と闘う子どもたちに寄り添い、安らぎを与えるファシリティドッグ。


【写真を見る】手術もリハビリも一緒に…「心」を支えるファシリティドッグ


かつて、その存在に支えられ、大きな病気を乗り越えた少女がいました。誓ったのは「恩返しのために看護師になる」こと。夢を追う少女のその後を取材しました。


「術後、初めてほほえんでくれた」闘病中の子どもたちに笑顔を

静岡県立こども病院。医療スタッフの一員として働くのが「ファシリティドッグ」のタイです。


げんたくん(7)
「タイくんのことね、ずっと夢で見てる」


Q.夢だと一緒になにをしているの?
「遊んだり、プール入ったり」


病院のベッドの上で過ごす日々。ファシリティドッグのタイは、げんたくんの夢の中にまで寄り添い、一緒に遊んでくれる大切なお友達です。


5月8日、タイが病室を訪れると、ベッドの上から真っ先に降りてきたのは、先天性の腸の病気で入院している梅原つばきちゃん(5)。


つらい手術のときも、タイはそばに寄り添い続けました。タイの仕事は、子どもたちに「安らぎ」と「笑顔」を与えること。


この日、退院を迎えるつばきちゃんからのプレゼントは、お母さんと一緒に書いたタイのイラストです。


つばきちゃんの母親
「手術のあとに表情も全部消えてしまうようなくらい、憔悴しきっている期間があったのですが、『タイちゃんが来たよー』と言った時に、術後、初めてほほえんでくれた


子どもたちを支える日々のふれあい。タイの仕事はそれだけではありません。


病気を治せなくても、子どもの負担を減らせる「代えがたい医療スタッフ」

体力の落ちている子どもと一緒にリハビリにも参加します。


ファシリティドッグは、こうした状況でも常に落ち着いて行動できるよう専門的なトレーニングを受けています。


育成には1年半〜2年半かかり、約60個の合図を習得します。様々な場所や人、物に慣れる練習を重ね、病院内でも堂々と過ごせるようになるのです。


また、病棟に入るたびに衛生管理を行います。


生まれつき心臓が悪く、入退院を繰り返している福島瑠南さん(12)。


Q.タイとの一番の思い出は?


福島瑠南さん
「注射の時に一緒に付き添ってもらったのが一番の思い出です」


ファシリティドッグは病気を治すことはできませんが、子どもの負担は減らせるといいます。


静岡県立こども病院 坂本喜三郎 院長
「ファシリティドッグがいることで、子どもたちが嫌な治療、薬など、看護師さんに押さえ込まれなくても受けることができるようになる確率が高くなる。タイは私どもの病院にとって、代えがたい医療スタッフという存在です」


ファシリティドッグへ恩返しを 白血病を乗り越え、夢を叶えた看護師

静岡県立こども病院には、タイの先代ファシリティドッグのヨギがいました。2021年に引退し、2025年に天国へ。


そんなヨギに支えられた子どもがいました。浜松市にある聖隷浜松病院で看護師として働いている、山本みあさん(24)。


12年前、みあさんは急性リンパ性白血病を患い、静岡県立こども病院に入院。ヨギが見守り続けました。


たくさんの子どもたちを支えていたヨギのバトンを受け継いだのが…


山本みあさん(当時19歳・2021年)
「将来は(ヨギへの)恩返しの意味も含めて看護師になりたいです」


夢を叶えたみあさんは今、血液内科の看護師として自身も戦った白血病などの患者と日々向き合っています。


病の苦しみを知るからこそ、ヨギと過ごした日々があるからこそ、できる看護。


山本みあさん
「患者さんからも『あなたが来るとすごく元気になれる』『家族みたいに接してくれて嬉しかった』と言ってくれて。ヨギくんほどではないかもしれないけど、ちょっとはなれてるのかなって思います」


金銭的なコストに課題も…クラファンで新たに2頭が活躍へ

出水麻衣キャスター:
温かい体と優しい眼差しで、医療スタッフとして本当に貴重な存在ですよね。


俳優・タレント 大和田美帆さん:
私は実は6年ほど前から、度々ファシリティドッグと一緒に病気の子どもたちに歌ったりする活動をしています。


子どもたちがファシリティドッグたちに、どんなに助けられているのかを間近で見てきました。大人でも大変な治療を頑張っている子どもたちなので、心の支えになっていることは間違いないと思います。


出水キャスター:
現在は4頭(タイ・オリ・アイビー・マサ)のファシリティドッグが全国の医療機関で活動しています。


しかし、導入までの準備費用に約1600万円、病院で働きだしてからの運営費には年間で約1200万円と、導入にかかる金銭的なコストがハードルになっています。


そんな中、クラウドファンディングでファシリティドッグを増やしていく取り組みも行われて、新たにミコとトミーの2頭がこれから活躍していくということです。


俳優・タレント 大和田美帆さん:
日本はセラピーのような部分は遅れているところがありますが、病気と闘う子どもたちはたくさんいるので、どんどん増えていってほしいです。


井上貴博キャスター:
病気自体を治すことはできなくても、逆に人間にはできない、医者にはできない部分の治療をしてくれると考えると、かけがえのない存在だと思います。


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<プロフィール>
大和田美帆さん
俳優・タレント
音楽療法士・子供心理カウンセラーなどの資格を持つ
「一般社団法人 子どもが笑えば世界が笑う」代表
1児の母


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