ウクライナが計画に1年半をかけたというドローンを使った特殊作戦を実施しました。ロシア側も大規模なドローン攻撃を続け、戦闘がエスカレートする中、双方による直接交渉がトルコで行われました。
【写真を見る】ロシアとウクライナ直接交渉直前にドローン攻撃の応酬 数日前には日本に近いウラジオストクで攻撃も…停戦交渉への影響は?【news23】
ロシア北部にある飛行場をウクライナ軍のドローンが捉えた映像。カメラが近づくと火柱があがり、複数の機体から黒煙が立ち上っています。
ウクライナ保安庁は1日、ロシアへの特殊作戦を決行したと発表しました。1年半以上かけて準備したという、その名も「クモの巣」作戦です。
ウクライナメディアによると、ロシア領内に潜伏させたトラックに乗せた移動式家屋の中にドローンを隠し、遠隔操作で攻撃したということです。その攻撃は、ウクライナ国境から4000キロも離れた東シベリアのイルクーツク州でも…
コブゼフ知事のSNSより
「なんてひどいことを。何が爆発したのか分からない」
「(ドローンが)あそこにある」
「もう1つ飛んでいる。どこだ?」
「あそこだ!(ドローンが)軌道上を飛んでいる」
州知事は、シベリアへのこうした攻撃は初めてだとしています。
ウクライナ保安庁は「クモの巣」作戦によって、ロシアに推定70億ドル=およそ1兆円の損害を与えたと発表。ロシアの主要な飛行場にある巡航ミサイルを搭載可能な機体の34%を破壊したと明らかにしました。
ゼレンスキー大統領はSNSで、114機のドローンを使用したと明かしたうえで、「細部に至るまで完璧に実行された」と成果を強調しました。
23ジャーナリスト 須賀川拓さん
「今回のドローン攻撃とは別に、数日前にはウラジオストクの基地も攻撃されている。ウクライナからすると7000キロで極東の最果てといっていいくらい。ドローン攻撃で広範囲まで狙われている。ロシア側はセキュリティー網、防空網を再構築せざるを得ない。相当な痛手になるのではないか」
ロシア側の攻撃も激しさを増しています。ウクライナ空軍によると、先月31日から今月1日にかけてロシア軍が472機のドローンや弾道ミサイル、巡航ミサイルを使い、攻撃を行いました。一晩の攻撃としては侵攻開始以来、最大規模とされ、ウクライナ軍の訓練部隊がある場所にも攻撃があり、12人が死亡したということです。
23ジャーナリスト 須賀川拓さん
「ロシア軍の状況見てみると、やられたらやり返というのは当然。(ウクライナの)電力設備やダムといったインフラが今後、狙われる可能性が極めて高くなってくる。攻撃の応酬が激化する可能性は高いのではないか」
こうした中、日本時間の2日夜、ロシアとウクライナの直接交渉がトルコのイスタンブールで行われました。冒頭でトルコのフィダン外相が挨拶し、今回の交渉では「停戦の条件」「首脳会談に必要な準備の確認」「捕虜の交換」が主なテーマになるとしました。
ロシアのタス通信は、交渉は1時間ほどで終了したと報じています。
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