随意契約の備蓄米、いわゆる「古古古米」をコンビニ各社があすから販売を始めます。備蓄米の販売が広がりを見せる一方、一部は日本酒や味噌など、加工用への利用が検討されています。
兵庫県加古川市のスーパー。朝から160人以上の行列が出来ました。先頭の客は朝5時半から待っていたといいます。
先頭の客
「安いからや。通常の値段になったから。やっぱり主食やから日本人の。もうちょっと流通を良くしてもらわんとね、一般市民は困ります」
価格は5キロ2111円。行列のため、開店時間を15分前倒したものの、きょう用意した分はすぐに完売しました。
さらに、九州でも…
「(お店に)来た時に驚きました。もう福岡にきたんだと思って」
福岡市内のドラッグストアでは、5キロ=1980円で備蓄米を販売。40袋が並びましたが、こちらも1時間ほどで完売しました。
コスモス薬品店舗運営部 三宅健史 上級エリア長
「お米は精米したてが美味しいもの。家庭の在庫が無くなってから購入していただきたい」
販売が進む22年産の「古古米」。
一方、コンビニ大手でも動きが…
記者
「続々と備蓄米が精米器にかけられていきます」
ファミリーマートはきょう、21年産の“古古古米”12トン分を次々と精米していました。
当初は、あさって6日からの販売を予定していましたが、急遽1日前倒し。きょう午前、あすから東京と大阪のそれぞれ10店舗で、1キロ388円で販売を始めると発表しました。
ファミリーマート 仲沢正幸さん
「コンビニ網をいかして、いち早くお客様にお届けしたい」
備蓄米の販売は過熱気味。ローソンも遅れをとるまいとばかりに午後になって、あす5日、東京と大阪のそれぞれ5店舗で1キロ=389円、2キロ=756円で販売することが明らかになりました。
セブン-イレブンは備蓄米の入荷が決まり次第、今月中に販売を始める予定です。
広がる「古古古米」の販売。一方で、備蓄米をめぐって新たな動きも出ています。
小泉進次郎 農水大臣
「米は主食用米だけではないですから。日本酒作りに励んでいる皆さんからは、酒米が高い、そして足りない。こういったお声が届いているのは事実」
農水省はこれまで備蓄米91万トンのうち、「競争入札」や「随意契約」で61万トン放出すると決めています。
小泉大臣は、備蓄米の一部を味噌や日本酒などの「加工用」として放出を検討していると明らかにしました。
きょう、愛媛県松山市にある創業130年の酒蔵を訪ねると…
水口酒造 水口皓介 社長
「正直、酒蔵としては(コメが)主要な原料になりますので、そこが高騰するというのは痛い」
この酒蔵では年間4万8000リットルの日本酒を造るため、およそ30トンの酒米を使用。日本酒は価格転嫁が難しいといい、コメ価格の値上がりに頭を悩ませています。
水口酒造 水口皓介 社長
「秋の酒米の取引価格というのも、かなり上昇することが想定されています。価格高騰と収穫減の二重苦がおそらく想定される」
小泉農水大臣は来週、日本酒やみその生産者から詳しく話を聞くとしていて、現場の状況を見て、加工用に備蓄米を放出するかどうかを判断をするとしています。
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