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フジテレビにスポンサーは戻ってくる?企業は慎重姿勢 弁護士に聞いたスポンサーとの向き合い方【Nスタ解説】

経済
2025-04-01 21:45

中居正広氏と女性のトラブルを「業務の延長線上の性暴力」と、フジテレビが設置した第三者委員会が認定したことを受け、元アナウンサーは「ほっとした」などとコメントを発表しました。


【写真で見る】「緊急です。先方弁護士から訴え書が来ました」と中居氏から連絡があった


第三者委員会の報告書「フジ社内でセクハラを中心としたハラスメントが蔓延」

井上貴博キャスター:
スポンサーがすぐに戻ってこないとわかっていても、どう判断するのか、何をきっかけに戻ってくるのかという点に焦点を当ててみます。

まずは、報告書などを振り返ります。


【第三者委員会の報告書】
・中居氏の女性トラブル
業務の延長線上の性暴力を認定

・類似案件を複数確認
・フジテレビ社内でセクハラを中心としたハラスメントが蔓延

【フジテレビ側の対応】
31日の会見
・関係者に対する厳正な処分
・人権尊重、風土改革など再生・改革ロードマップを提示

3月27日
・経営体制の見直しを発表


事例は他にも…「スイートルームの会」で社員B氏は女性アナウンサーを“置き去り”に

井上キャスター:
調査報告書によると、類似事例があることがわかりました。


2021年12月に「スイートルームの会」が開かれ、参加したのは中居氏、タレントU氏、フジ社員B氏、B氏の部下2人、元女性アナA氏、女性アナS氏、女性アナR氏、女性アナQ氏、女性スタッフの10人です。

最初は10人で飲み会をしていましたが、その後、中居氏がフジ社員B氏らに退出するように働きかけると中居氏、女性アナQ氏、タレントU氏、女性アナR氏の4人になったという経緯が明らかになりました。

第三者委員会は、フジテレビ社員B氏は女性アナウンサー2人を「置き去り」にしたと評価。ホテルの料金約38万円はフジテレビに経費として請求されていたということです。

会社としてある程度容認したと受け止められても仕方ないだろうという部分です。


「休日にドライブに誘う」「断ると職場で不当な叱責」 BSフジのキャスターもセクハラ・パワハラに該当

井上キャスター:
また、第三者委員会はBSフジのキャスター・反町理氏の行為も「セクハラ・パワハラに該当し得るもの」だとしました。


2006年頃、女性社員に対し
・何度か1対1の食事に誘う
・休日ドライブに誘い、花火や映画など1日拘束
→断ると職場で不当な叱責


弁護士はどう見る?第三者委員会の「報告書」

井上キャスター:
今回の報告書について、3人の弁護士にお話を聞きました。


レイ法律事務所 河西邦剛弁護士
「調査結果で明らかになったハラスメントなどの内容があまりにも深刻だった。小手先の改革案を出しても、多くの人が感情的に許せないのでは」


元テレビ朝日法務部長 西脇 亨輔弁護士
「本来なら調査結果後に役員人事を決めるべきだった。調査結果前の人事発表は、責任に向き合っていないとスポンサーにとられかねない

桜美林大学 西山守准教授
「調査期間が約2か月で、深刻なハラスメント事案が判明。(調査を継続し)うみを出し切って、関係者が責任をとらないと不信感はぬぐえない」

ここまで全社的になると、フジ・メディア・ホールディングスの取締役会を含め、フジテレビ出身者ではない、外部から招聘するなどの措置が求められると感じます。


「フジテレビがやばい」という問題で片づけるべきではない

文芸評論家 三宅香帆さん:
今回、第三者委員会が発足されましたが、職場だけでなく人間関係のトラブルに第三者が入ることはすごく大事なことだと思います。調査報告書を読んでいると、元アナウンサーの方が誘われて、迷った時に第三者に相談できる相手がいたら、全然違うことになっていたと思います。

おそらく、相談できる・したいと思えるような心理的安全性のある第三者が職場に見つからなかったのだと思います。

これから、いろんな改善がされていくと思いますが、職場で嫌なことがあった時、相談できる第三者をどうやって見つけるかということも含め、いろんな議論がなされてほしいと思います。


出水麻衣キャスター:
今回、(報告書で)初めて知ることも多くて、やりきれなかったという元女性アナウンサーのコメントは重いと感じました。


TBS CROSS DIG with Bloomberg CCO 竹下隆一郎さん:
私も報告書を読みました。273ページあって、読むたびに手が震えてくるというか、絶望ですね。元女性アナウンサーは、きちんとフジテレビ側に相談をしていましたが、その社員が助けるどころか、中居氏とのお金のやり取りを仲介したり、弁護士を紹介したりするなどしていました。

私が一番心配しているのは、今被害に遭っている方がこれを読んで「(会社に)相談しても加害者側に立ってしまう会社なんだ」あるいは「日本の会社はそうなんだ」と思ってしまうのではないか。そう思った時の絶望はいかほどなのかということです。

いろんな再発防止策も書いてありますが、制度だけ作れば良いという訳ではなく、魂を込めないといけません。この会社・制度に相談すれば少なくとも聞いてくれる。聞いて受け止めてくれるという雰囲気作りを、日本社会全体で作っていくことがすごく大事だと思います。

まさに新入社員が入ってくるこの時期に、これでは駄目だと思います。何かあったら誰かが聞いてくれる企業だという雰囲気を作っていかなくてはいけないと、改めて思いました。


文芸評論家 三宅香帆さん:
「フジテレビがやばい」という問題で片づけるのではなく、女性は何となく似たようなことを見たことある方も多いと思います。そういう人が声を上げていけるような社会にみんなでしていかないといけないと思います。


弁護士に聞いた フジテレビにスポンサーは戻ってくる?

井上キャスター:
スポンサーの向き合い方について、弁護士に聞きました。


レイ法律事務所 河西邦剛弁護士
「グループトップに人権保護の専門家を招くなど、大胆な改革をしたらスポンサーの信頼回復もみえてくるのでは」

元テレビ朝日法務部長 西脇 亨輔弁護士
「(調査報告書で終わりではなく)うみを出し切ることが信頼回復の大前提。そのために調査を継続する事。それでもスポンサーが戻ってくるかは分からない」


桜美林大学 西山守准教授
関係者の処分を行うと共に再発防止策を実施する。そこまですればスポンサーが戻ってくる可能性も」


スポンサーが戻る・戻らないの判断を客観的に行わないといけません。
他社が戻ったから戻すという、なし崩し的なことではいけないと思います。


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<プロフィール>
三宅香帆
文芸評論家
著書「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」で「新書大賞2025」受賞 31歳

竹下隆一郎
「TBS CROSS DIG with Bloomberg」CCO
元ハフポスト日本版編集長・PIVOT創業メンバー


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